フルサイズデジタル一眼レフカメラは撮影会用に必要か?

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EOS5D4(@ぱくたそ)

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フルサイズデジタル一眼レフカメラは撮影会用に必要か?

高級機は、画像(イメージ)センサーが対角35mmのフルサイズ機が高級カメラと言われていますが、撮影会で撮影をする時にフルサイズ機は必要でしょうか。
このブログでもおすすめのカメラの選び方の記事をいくつか書いてきましたが、いずれもエントリーモデルについてです。

一方、カメラには初心者の使うものから、フォトグラファーというようなプロの使うものまでたくさんあります。

当然ながらフルサイズ機にはメリットがある

フルサイズ機は、本体の価格としてざっくり20万円位から、ハイアマチュア用と言われているキヤノン5DmarkⅣやニコンD850などについては30万円を超えてきます
さらに、フルサイズ用のレンズも画像センサーのサイズに比例して大きくなるため10万円位するレンズでも特に高い方でもありません
そこまでの資金を投入してフルサイズ機を買う必要はあるのでしょうか

画素数が多い

フルサイズ機のメリットは、画像センサーが大きいため、画素数が多いことが挙げられます。
フルサイズの5DmarkⅣが3040万画素なのに対して、APS-Cでは同じくキヤノンのEOS80Dは2420万画素、富士フィルムのX-H1は2430万画素、さらにセンサーサイズの小さいマイクロフォーサーズのオリンパスE-M1 markⅡは2037万画素です。
当然のことながら、画素数の多い方が解像度が高くきめが細かい写真が撮影できます

一方で、無闇に画素数を増やしても1画素あたりに当たる光が減ってしまうと、信号を電気的に増幅する必要が出てきて、電子ノイズが増えがちです。

ノイズが少ない

画像センサーのサイズを大きくするメリットを画素数に求めることもありますが、実際のところ、写真を表示するモニターの解像度にも限界があり、フルHDのモニターの全画面表示でも1920×1080ドット→207万画素程です。
ですので、無闇に解像度を上げてもそんな細かいところまで誰も見ていないのに、ノイズだけが多くなるなんてことになりかねません

ですので、フルサイズの画像センサーの解像度は、APS-Cなど一周り小さいサイズのセンサーに比例して画素数が多くなるわけではなく、もう少し控えめです。
画素数を抑えた分、1画素あたりの面積が増えて、当たる光の量も多くなるため、ノイズも少なくなるわけです。

画像センサーサイズと画素数と明るさの関係

画像センサーのサイズと画素数から1画素あたりの明るさについての記事は以下にあります。

ボケが大きい低F値のレンズは多くはフルサイズ用

カメラの交換用レンズは、F値をもっとも小さい状況で撮影できる開放F値があります。
センサーサイズやマウントが大きいほど開放F値が大きいレンズが用意できますので、F1.0などの大口径レンズはほぼフルサイズ用のみという状況です。
レンズ交換式のカメラで撮影する醍醐味は、ボケの効果がかなりの割合を占めますので、大口径レンズの魅力がそのままフルサイズ機の魅力とも言えるかと思います。

メリットだけではなくデメリットもある

センサーサイズが大きい方が有利なのであれば、世の中のカメラはフルサイズどころかもっと大きな画像センサーのカメラが増えても不思議ではありません。
しかし、実際のところ国内の大手メーカーだからといって、全てのメーカーがフルサイズ機を製造しているわけではありません

やはり、センサーサイズが大きくなると、光をたくさん取り入れるために、大きなレンズが必要になり、それを接続するカメラのマウント、そして、カメラのボディまで全てが大きくなってしまいます。
そして、大きくなるということは金属製のボディとガラス製のレンズが大きくなるわけですから、当然重くなります。

さらに、センサーやボディなど諸々のコストが上昇しますので、カメラ自体が高価格、フルサイズ用のレンズも高価格ということになります。
単に写真を撮るだけで何十万円も支出できるような方はそもそもそれほどたくさんいるとは思えません

画像センサーのサイズの違い以外の色々な要素

以上から、お財布が許せばフルサイズ機を買った方がいいようにも思えます。

フルサイズ機は基本性能が高い

フルサイズ機は画像センサーサイズが大きいだけではなく、そもそもが高級機なので、そもそもカメラの基本性能が高いです。

カメラの基本性能とは、ピントを合わせる能力であるオートフォーカス(AF)、光の量を調整する自動露出(AE)、色を調整するオートホワイトバランス(AWB)などの基本機能が高い水準です。
ピントが合わせる能力が高く、明るさや色を合わせる能力が高いということは、写真が失敗しにくいということでもあります。

また、ファインダについても大型の見やすいものがあります。

手ブレ補正機能

センサーサイズが小さい方が有利な場合というのもあります。
その1つに手ブレ補正機能があります。
手ブレ補正機能は、人間がカメラを構えている際に、固定しているつもりでもどうしても動いてしまうのを防止するために、身体が動く方向と逆の方向にカメラの内部を動かして、手ブレしていないように撮影する機能です。

現在では、ほとんどのレンズには手ブレ補正機能が搭載されるようになりましたが、カメラ本体で手ブレ補正をする機能のためにスペースが必要なため、カメラが小さいほど手ブレ補正の効果が高いと言われています。
ニコンやキヤノンの一眼レフ機にはカメラ内手ブレ補正機能はありませんが、他のミラーレスカメラでは標準装備と言ってもいいほどになっています。
もっとも、現在ではほとんどのレンズに手ブレ補正機能があるため、ボディにも必ず必要かどうかは場合によります。

α7Ⅲ手ぶれ補正機構

ミラーレスカメラが実現する先進機能

デジタル一眼カメラのミラーレス化が進んで、カメラ内に光の通り道がある一眼レフカメラに対して、レンズを通した光を直接画像センサーで電気信号にして処理するミラーレスカメラでは、電気信号を処理したことによって実現しやすくなった機能がいくつかあります。

瞳AF

画像センサーで取り込んだ画像データを解析して、人間の顔を判別し、さらに目の位置を認識してピントを合わせる瞳AFという機能があります。

人間が他の人間を見る際には、表情筋が集中している目から見て、どのような感情にあるかを判別する本能的な行動を撮ります。
そのため、写真を見る時でも目から見てしまうため、人間の写真を撮る際には、目にピントを合わせるのが基本です。

そのため、モデルポートレート撮影では、シャッターを切る前に、構図を確定して目にピントを合わせるという作業が欠かせませんでした。
(画面内の目の位置を想定してAFフレームを先に移動して、想定した構図に落とし込むという手法もあります)

しかし、ミラーレスカメラでは目にピントを合わせてくれますので、そのような作業は不要です。
瞳AF機能については、カメラごとに性能の差が大きく、本当にピントの位置を気にしなくて良いのは一部の高級ミラーレスカメラだけではありますが、構図に集中してより簡単に美しい写真が撮れるようになってきています。

フリッカー防止機能

商用の電源は、交流ですので、電圧が短時間で常に変動しているため、照明の明るさも超短時間の間では明るい時と暗い時があります。これをフリッカーといいます。
単純にシャッターを押した時に写真の明るさが変わってしまうのでは困ってしまいます。
これを防止するために、シャッターを押す前に明るさをチェックしてシャッタータイミングを調整し、一定の明るさで撮影できるようにする機能をフリッカー防止機能あるいはフリッカーレス機能と言います。
この機能もミラーレスカメラが得意とする機能です。

電子シャッター

機械式のシャッターを持つカメラでは、写真を撮る際にシャッター速度に応じた時間にシャッターを開閉し、シャッターが開いている間に画像センサーが受けた光を画像データとして取り込みます。

これは、よく考えてみると、画像センサーも電子部品ですので、シャッター開放の間だけ画像センサーに通電して、画像データを取り込めばいいように思えます。これが電子シャッターの原理です。
電子シャッターならば、機械式のシャッターは不要になり低コスト化できそうに思えます。

しかし、実際には画像センサーに入った光が画素に当たっているのですが、全ての画素からのデータを一度に取り込むことはできず、端から順番に取り込みます。
そのため、電子シャッター方式の場合は、最初に取り込んだデータと最後に取り込んだデータでは光が入った時刻が異なるため、動いたものを撮影すると画像が歪んでしまう、ローリングシャッター歪みという現象が原理的に起きてしまいます。

これは、画像センサーのデータ読み込み速度が年々高速化してローリングシャッター歪みが小さくなってきているため、デジタル一眼カメラでも電子シャッターを持つものが多くなってきています。

光学ファインダーを持つ一眼レフ機では、レンズから入った光を鏡でファインダーに通しているため、シャッターを切る際にはこの鏡をどかせるミラーアップという作業が必要なため、物理的にシャッター速度や連写速度の限界があります。
一方、ミラーレスカメラではそもそもこの鏡がありませんので、画像センサーの速度が向上すればシャッター速度や連射速度もどんどん上げられます。

画像センサーや画像エンジンの性能向上

画像センサーが大きいと画素数が増やしやすく、ノイズが低減しやすいと説明しました。
年々電子技術が進歩しているため、画像センサーや取り込んだ信号を写真データとして加工する画像エンジンなどの電子部品の性能もどんどん上がっています。
そのため、画像センサーの画素密度も上げられるようになっていて画素数が増やしやすくなっており、また画像センサーや画像エンジンでのノイズを低減する能力も向上しています。
そのため、APS-Cやマイクロフォーサーズなどのフラッグシップモデルでは、モデルチェンジのたびに画素数が増え、ノイズも低減しているため、フルサイズ機でなくても十分きれいな写真が撮れるようになってきています。

フルサイズ機が絶対的に有利な場面

そんなわけで、色々な技術が進んでいるため、フルサイズ機それも一眼レフ機を使うメリットはどんどん薄れていますが、それでもフルサイズの一眼レフ機を使いたい場面はあります。

高速の被写体の撮影を行う場合

飛行機、列車、スポーツカーなどの乗り物、鳥や動物など、各種スポーツなど、高速で動いているものを撮影する場合には、まだまだ一眼レフ機が有利と言われています。
確かにローリングシャッター歪みは徐々に克服されていますが、ミラーレスカメラでは画像センサーから取り込んだデータを画像処理し、それを電子ファインダーで表示するのに若干のタイムラグがあります。
そのため、超高速の場合には、電子ファインダーを見て撮影した写真が実際には遅れていることがあります。
そのような状況下ではまだまだ高級一眼レフ機が必要とされています。

夜間など暗い場面での撮影を行う場合

夜間など極限まで暗い場合には、画素のサイズの差がものを言ってフルサイズ機の方がノイズが少ない写真が撮影できます。

超高画素が必要となる場合

スマホやPCモニターなどに表示する場合には、それほどの高画素は必要ありませんが、ポスターなどの大型の印刷物に印刷する際は、高画素が必要になる場合があります。
また、画像をトリミングする場合など部分的な拡大が必要になる場合は、後がその方が有利となる場合があります。

モデルポートレート撮影の特徴

撮影会での撮影の条件

撮影会は、ほとんどの場合は日中の屋外か、ある程度の明るさが確保されたスタジオでの撮影になります。
また、被写体も多くの場合は大人のプロのモデルで、撮影の際には静止してくれます。
そのため、上記のようなフルサイズの一眼レフ機の必要な場面ではありません

フルサイズ機の基本性能の高さと大口径レンズは魅力的

色々説明した通り、フルサイズ機を使ったからといって劇的に美しい写真が撮影できるというように思うのは期待のしすぎです。
むしろ、プロのモデルを環境の整った場面で撮影する場合は、差が出にくいです。
プロの写真家でもフルサイズ機を使っていない人はたくさんいます

しかし、フルサイズ機かどうかはともかくとして、高級機はAF、AE、AWBなどカメラの基本性能は高いため、写真自体が失敗しにくいというのは魅力です。
そのため、フルサイズのハイアマチュア機よりも価格の安いAPS-Cやマイクロフォーサーズのフラッグシップモデルは非常に魅力的ですし、十分な能力があります。

一方、写真が上達してくると、明暗の差を活かした写真やボケの効果を使った写真が撮りたくなるものです。
そのような時には、フルサイズ機と大口径のレンズが活躍します。

まとめ

そんなわけで、そのうちフルサイズ機が欲しくなるから先に買っちゃえ、というのも考え方の一つではありますが、メリット・デメリットや予算などを考えてカメラを選んでいただければと思います。

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Posted by すーすー