初心者におすすめするミラーレス一眼カメラの選び方
「カメラを買おうかな」という相談を受けることがよくあります。
かけられる予算は大変重要ですが、用途や好みなどによりメーカーや機種に得意不得意もあります。
ここでは、そこも含めてデジタル一眼カメラを初めて買う人に向けた選び方について説明します。
撮影対象・被写体
カメラを買おうというからには、写真を趣味にしたり、家族写真などを撮影することが目的かと思います。
被写体は動くか、撮影は外か屋内か
その時、非常に重要なのが被写体が「動く」のか「動かない」か、と、「屋外」か「屋内又は夜間」かがまず重要です。
なぜならば、カメラはレンズを通して光で出来た映像を取り込みます。
その時にシャッターボタンを押してからシャッターが開いた一定の時間の間に画像センサーに写った画像が写真になるという仕組みだからです。
シャッターが開いている時間が長いほどセンサーに取り込む光の量が多くなるのですが、その間に被写体が動いてしまえば、写真に写る画像も動いて(ブレて)しまいます。
ですので、被写体が動かない場合は、シャッター速度が遅くてもブレることはありません。
また、明るい場合は、光の量が多いのでシャッター速度を早くしても十分な光を取り込めますので、はっきりした明るい写真を撮ることができます。
逆に被写体が動いている場合は、シャッター速度を速くしなければなりませんが、光が足りないと写真が暗くなってしまいます。
そんなわけで、被写体が動く場合か暗いところで写真を撮る場合は、高感度の高価なカメラが必要になります。
動かないものを撮影する
明るい屋外で、止まっている風景写真やきちんと動きを止めてくれるプロのモデルさんなどを撮影する場合が一番簡単です。
建物の中で止まっているものを撮影する場合が次に簡単です。
赤ちゃん、寝ているペット、モデルさんなどはこのカテゴリーです。
こういう時は照明を当てて明るくすれば上記の「屋外・動かないもの」と同様に撮影できます。
また、あまり明るくできない場合は、カメラを動かさず撮影するように練習しましょう。
動くものを撮影する
動くものの場合は速度が速いほどシャッター速度を速くしなければなりませんので大変です。
そういう時はできるだけ高感度でピントの追従能力が強い高機能のカメラを使った方が失敗しにくいです。
特に高速で動く乗り物や動物、走り回る子供などはこの傾向が強いです。
一眼レフかミラーレスか
フィルムカメラの時代
昭和の時代までのカメラはすべて機械式で画像センサーなどはなかった時代でしたので、光を当てると反応する化学物質を使ったフィルムを使っていました。
その時に、写る状態を確認するために、カメラの中に鏡やプリズムなど光を反射して誘導する仕組みを作りました。
それが一眼レフカメラです。レフとは反射の意味です。
デジタルカメラの発明
その後、デジタル画像を画像センサーを使用し画像データを写真として取り込むデジタルカメラができました。
この仕組であれば鏡やプリズムなどを使う必要がありませんのでミラーレスカメラといいます。
デジタル一眼レフカメラの開発
しかし、画像センサーの性能があまり高くなかったため、一眼レフカメラのフィルムの位置にセンサーを設置したデジタル一眼レフカメラが開発されました。
プロの業務用カメラといえばデジタル一眼レフカメラのことを示していました。
ミラーレスカメラの復活
これまでミラーレスカメラと言えば、小型で個人も簡単に購入できるコンパクトデジタルカメラのことを示していました。
ところが、近年、研究開発により画像センサーの性能がよくなってくると、ミラーレスカメラでも一眼レフカメラと同等に撮影できるようになってきました。
ミラーレスカメラの有利な点
ミラーレスカメラは、カメラの中に鏡やプリズムなどを設置する必要が無いため、重さが軽く、大きさも小さく作ることができるという点では大きく有利です。
さらに、画像センサーから取り込んだ画像を自由に分析することができることから、オートフォーカス機能が高精度・高速化され、また、画像の中で人間の顔や目に自動的にピントを合わせる顔認識・瞳認識機能なども搭載する独自の進化を遂げています。
また、一眼レフカメラでは手ぶれ補正機能はレンズにしか付いていないことが多いのですが、ミラーレスカメラではカメラ本体とレンズの両方に手ぶれ補正機能があり協調して動作しているものもあり、撮影に失敗しにくくなっています。
主要各社でフルサイズミラーレスカメラを発売
2017年にはソニーがプロユースを大きく意識したミラーレス一眼カメラα9を発売したのが象徴的です。
その流れにこれまでデジタル一眼レフカメラで大きなシェアを得ていたキヤノンやニコンも、ついに2018年にはフルサイズミラーレスカメラを発売しました。
キヤノンやニコンのフルサイズミラーレスカメラは、ミラーレスカメラの特性を活かすためにレンズの規格であるマウントの変更を行い、新開発された新マウントのレンズの開発が続いています。
すぐにではないでしょうが、長期的には一眼レフカメラは消滅し、ミラーレスカメラだけの時代が到来することが予想されます。
本ブログではミラーレスカメラをおすすめ
そんなわけで、ミラーレスカメラは小型軽量でオートフォーカスや顔認識機能、ボディ内手ぶれ補正など初心者にも優しくなっていますので、これから購入する方はミラーレスカメラの購入をおすすめします。
そのため、この先の説明もデジタル一眼レフカメラについては省略します。
カメラのグレード
初心者向けファインダーレスカメラ
ファインダーとは、のぞき穴で中を覗くと撮影する画像とシャッター速度など関係の情報を表示する部分です。
デジタルカメラは、背面にもモニターがあり、ファインダーに写るものと同じ画像が表示されているタイプが多いのですが、そのため、コストの関係からファインダーを省略したものがあります。
代表的なものとしては、オリンパスのE-PL9やキヤノンのEOS M100などがあります。
ファインダーが無くて何が困るかというと、背面モニターはほとんどの場合は液晶画面なのですが、屋外で日光の強い光が当たるとほとんど見えなくなることがあります。
室内のみの撮影では気にする必要はほとんどありませんし、屋外でもそのようなケースはそれほどありませんので、用途や予算の関係によっては候補になります。
値段的には、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの両方がついたダブルズームキットなら6~8万円程度、標準ズームレンズのみのレンズキットであれば5~7万円程度になります。
初心者向けカメラ
上記のカメラにファインダーが付いたものです。
ファインダ無しのものに比べて約1万円位安価になっています。
この後で説明するカメラに比較すると、ダイヤル、ボタン、外部の液晶表示などが少なめになっています。
シャッター速度や絞りといった撮影の設定は背面モニターのタッチパネルで操作するようになっていますが、撮影するたびに設定を変えるような時はダイヤルやボタンが独立していた方が楽ですが、写真自体についてはもう少し上のグレードのカメラと大きな差はありません。
最初に買うカメラとしてはこのクラスがおすすめで、個人的には自分でも持っているEOS kiss Mは非常に気に入っています。
値段的には、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの両方がついたダブルズームキットなら8~9万円程度、標準ズームレンズのみのレンズキットであれば7~8万円程度になります。
中級クラスのカメラ
ここのあたりからは本格的なカメラになり、値段も本格的になってきます。
撮影の設定も本格的にできますし、重量的にもやや重いですが手頃なところです。
物事に熱中してはまりやすいタイプの人は上記の初心者タイプでは細かい設定ができないため、買い替えてしまいがちですが、この辺ならば問題ないかと思います。
ご自分の性格と相談して下さい。
価格的には12~15万円ほどです。
上級クラスのカメラ
意地でも一回買ったら数年は使うぞという気持ちでいるならば、プロでも使っている本格的なカメラを購入するのをおすすめします。
あまり高いカメラじゃ使いこなせないなどと思う必要はありません。
ピントを高速・高精度で合わせるオートフォーカス(AF)や見た目に近いイメージの色で撮影するオートホワイトバランス(AWB)などというセンサー系にも十分なコストがかけられているため、オートでの撮影でもかなりのレベルでの撮影が可能です。
特にソニーのα7IIIについては強力なAF機能が売りで人間を撮影する時に自動的に目にピントを合わせてくれる瞳AFの機能がこのクラスではダントツでのでおすすめです。
私も上位の高画素機のα7RⅢを使っていますが非常に満足しています。
ただ、一方で、標準レンズ付きで20万円を超えてくるため、懐事情とよく相談して下さい。
もう一機種のオリンパスのE-M1mark IIについては、センサーサイズでこそマイクロフォーサーズという小型のシステムですが、その分小型で手に馴染みますし、AFやAWBも高機能なプロで使っている人もいる上級機種です。
まとめ
カメラについては下位の機種でも相当な価格がするので、安いカメラを買って使ってもダメだと思ってしまい、ちょっと高い機種を買い直して、などと繰り返して結局フルサイズの上級機種を買ってしまうという場合がよくあります。(カメラ沼とよく言われますが)
そういう意味では、予算が許す限り高級な機種を買ってしまうのが結局一番安かったという話もカメラブロガー界隈の人たちからはよく聞きます。
懐具合と相談してよく考えてみて下さい。
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