猫カフェの猫をα7RIIIの動物瞳AFでテスト撮影(レビュー)

2020年1月16日α7R III,カメラ,カメラの選び方

2019年4月11日にソニーのフルサイズ一眼ミラーレスカメラであるα7IIIとα7RIIIを対象として動物の目に自動的にピントを合わせる動物瞳AF機能を追加するソフトウェアアップデートが行われました。
猫カフェで実際に撮影を行ってきましたので使い勝手等についてレビューします。

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ソニー デジタル一眼カメラα7R III

α7R III 正面
ソニーの4240万画素の高解像タイプのフルサイズ一眼ミラーレスカメラであるα7RIIIを2017年11月の発売と同時に購入してメイン機として使っています。
似たような性能の一眼レフカメラより何割かは軽く、特に被写体の目を認識してピントを自動的に合わせてくれる瞳AFによってモデル撮影のレベルを一気に上げてくれます

現在のミラーレス一眼カメラでは最高峰の1台だと思います。

https://suusue.com/2018/06/19/post-4182/

α7IIIとα7RIIIのソフトウェア・アップデート(2019年4月11日、Ver3.0)

キヤノンやニコンからもフルサイズミラーレス一眼がそれぞれ発売され、3社体制でフルサイズミラーレスが販売されるようになってきています。
キヤノンやニコンは、フィルム時代から変わらないカメラの操作性というところに主眼をおいているようですが、一方ソニーではセンサー性能の向上と画像認識を中心にしているようです。

今回の2019年4月11日のアップデートでは、α7 IIIとα7R IIIの2機種を対象としたソフトウェアアップデートVer3.0では、なんと動物を対象とした瞳AFを実現しています。
(他にもタイムラプスとかリアルタイム瞳AFとかありますが、今回は説明を省略します。)

動物瞳AFの設定方法

設定方法は簡単で、MENUから顔/瞳 AF設定の項目に検出対象という項目が増えました。
それを選んで、検出対象を人物から動物に切り替えるだけです。

検出対象が追加
顔/瞳 AF設定の項目に検出対象という項目が増えました。
検出対象のデフォルトは人物
検出対象のデフォルト(既定値)は人物です。
検出対象を動物に変える
検出対象を動物のアイコンに合わせます。

テストの場所は猫カフェ「僕と猫。秋葉原店」

せっかく動物瞳AFが機能追加されたのですが、私は動物は飼っていません。
というわけで、2018年11月にEOS kiss Mを購入した時に撮影しにきた、「僕と猫。秋葉原店」で撮影することにしました。

https://suusue.com/2018/11/13/post-6071/

お店の特徴

僕と猫。秋葉原店は、秋葉原にある猫カフェです。

MoCHAグループ

現在は、お洒落猫カフェで有名なMoCHA(モカ)のグループ店舗になっていて、MoCHA秋葉原店とは隣のビルになっています。

猫耳スタッフさんが可愛い!

特徴としては、単に猫が数匹放してあるという猫カフェスタイルなだけではなく、秋葉原のお店っぽく、スタッフさんが猫耳メイド姿で数名店内にいて、接客(要するに話し相手)してくれるというところです。

そんなわけで、比較的若い男性のお客さんが多いようです。

料金

時間料金

料金は、10分300円です。
猫カフェにしては少し料金高いようですが、スタッフさんが対応してくれるので妥当な料金だと思います。

所在地

僕と猫。秋葉原店の所在地は、秋葉原の中央通り沿いのリバティ秋葉原4号店のビルの5階です。
ビルには色々な店舗が入っているのですが、エレベーターは小型のもの1基で、もっと上にも店舗があります。
そのため、エレベータに乗った後、「やっぱりやめた!」と言っても、エレベータはずーっと上の階まで行って戻ってくるしかないので覚悟が必要な感じがしました。

東京都千代田区外神田4-4-3 小木曽ビル5F

営業時間

12時~22時(年中無休/最終入店21時30分)

注意事項

猫は撮影可(スタッフさんは有料チェキのみ)です。
フラッシュ撮影は不可です。注意して下さい。

猫の撮影は難しい

普段は、モデル撮影会でモデルさんを撮影しているのですが、それと比較して猫を撮るのは超ものすごく難しいです。
モデルさんはプロなので、ポーズを決めて目線をくれますし、撮影する際はじっと止まってくれるので、あとは周囲の環境さえチェックしてカメラのセッティングをして撮影すればいいのです。

猫はそんなことはお構い無しでとても自由です。

特に以下のような点が難しいです。

目線をくれない

当たり前ではあるのですが、猫がカメラの方を向いてじっとしていてくれることはありません
これが最難関です。

仕方ないので、我慢して自分の方を向いてもらうまで待ちます。

じっとしていない、あるいは寝ている

そして、猫の行動というのは、やはり人間の都合の良いようにはなかなか動いてくれません。

ほとんどは半分寝ているような感じでじっとしている(本当に寝てたりもしますが)か、何かに興味があるとそちらの方にさっさと歩いて行ってしまいます
室内だと基本的にカメラにとっては暗いですので、シャッター速度は遅めになり、被写体に動かれるととにかくぶれやすいです。

やはり、人間の方向にゆっくり歩いてくれるタイミングを待ちます。

目線が低い

もう1つは猫の体型です。

猫は人間に比べるとかなり小さい動物で、四足歩行です。
そのため、体勢が相当低いので、正面から撮ろうとするとカメラの位置を相当下げなければなりません

立ったまま撮ろうとすると、頭のてっぺんを撮影する感じになります。(モデルはミクさん)

立ったまま撮影
立ったまま撮影すると上から撮る感じに。

カメラ自体を警戒されやすい

そうやって、なんとか自分の方向を向いたところを見つけたとします。

そこで、ババっとカメラを向けると猫はプイッとどこかへ行ってしまいます。orz
おい、これまで待っていた苦労はなんだったんだ…。

猫さんはあまり知らない人(カメラ)から至近距離で見られるのは好みではない模様です。
困りました。

猫の撮影方法

上記のように、シャッターチャンスを待つしかないわけですが、そこを上手く撮るのはまた難しいです。

自宅で飼っている猫などであれば、飼い主に対してはあまり警戒心はないでしょうから、近くに寄ってきたところを撮ればいいわけです。
しかし、わざわざ撮影のために外出してきている状況では、そんなシチュエーションはなかなか望めません。

色々な手段を用いて可能性を上げていくしかありません。

カメラとレンズの選定

まず、カメラを選ぶのが大変です。

上記のようなシチュエーションを考えると、低い位置にカメラを構えて、撮影のタイミングではあまり動かないようにすることが必要です。

ある程度の長めの焦点距離のレンズが必要

猫が近寄ってきて、さらに自分の方を向いている状況を待つのはなかなかつらいです。
猫カフェの注意書きにも「猫を追いかけない」とか書いてある通り、猫の位置に近寄って撮影するのも難しいです。

そのため、部屋の反対側でも十分写るように、望遠に近い高倍率のレンズが欲しいところです。

明るくするあるいは明るいレンズを使う

さらに、猫は室内で動いていますので、写真がぶれないようにする必要があります。

室内を明るくできればいいのですが、さすがに難しそうです。
また、フラッシュなどを使用できればいいのですが、猫の目にあまり良くないので、大抵の猫カフェはフラッシュ禁止です。

ということはカメラ側で何とかする必要があります。
可能なら大口径のF値の小さい明るめのレンズを使い、カメラのセッティングも撮影モードをAvにして、F値を最小の開放で撮影しましょう。

チルトあるいはバリアングルモニターがある機種を使用する

猫の視線は低いので、なるべく低い位置にカメラを構える必要がありますが、それではファインダーを覗いて撮影するのは難しいです。

そのため、背面のモニターを見ながら撮影しますが、上から覗き込めるように、モニターが上に向けられるチルトモニターか、自由な方向に向けられるバリアングルモニターがあるカメラが欲しいところです。

α7R III モニター チルト
チルトモニター
バリアングルモニター
バリアングルモニター

撮影方法

具体的な撮影方法としては、もうハンターのようにじっとシャッターチャンスを待つしかありません。

カメラを構えていると猫カフェのスタッフの女性などが、猫のおもちゃなどで注意を引いてくれたりすることはあります。

しかし、おもちゃなどをパタパタしていると猫がそれにじゃれ付いてとにかく動いたままで、しかもそちら側に向いてしまいます。
撮りたいアングルによってはありなのかもしれませんが、常用は難しそうです。

急な動きはせずにカメラを構える

というわけで、シャッターチャンスを待ちます。

基本的には、モニターをチルトさせてカメラを低く構えます

複数の猫を同時にチェックする

そして、自分は身体を起こして周囲の複数の猫をチェックします。
撮りたい猫がいるからといってまとわりついていても、なかなか思うような行動は撮ってくれません。
ですので、周囲の猫をそれぞれチェックしていい感じに向いた猫を撮る方が現実的です。

ゆっくりカメラを向けて撮影

せっかく警戒が緩んで近場を猫が歩くような状況になっても、急に動いてはいけません
そーっと猫の方にカメラを向けます。
可能なら、猫の動きをある程度予測して向けて下さい

タイミングを変えて猫を何枚か撮影します。
連射よりは、猫の様子を見ていいタイミングでシャッターボタンを押した方がいいと思います。

実際のα7R IIIでの撮影

レンズは、いつものとおり、標準レンズFE24-70mm F2.8GMを使いました。
明るさはF2.8もあれば十分そうですが、もうちょっと望遠側があるレンズを使いたかったのですが、手持ちがありませんので仕方ありません。

動物瞳AFの感触

実際に、動物瞳AFを効かせて撮影を行ってみたところの感想は以下の通りです。

正面に近いアングルでないと認識しない

猫が横を向いている時などはほとんど認識しません

両目がはっきりわかるアングルになったところで認識しますし、猫は人間より頭が小さいので少し離れているとなかなか認識できないようです。

人間の瞳AFより食いつき方が良くない

上記のとおり猫が正面を向いても、瞳を認識するまでのラグは人間より大きいようです。

さらに、動きによっては瞳AFが切れるのも人間ほどは粘らないようです。

なので、自由に動き回っている猫を瞳AFを使って撮影するのはなかなか難しいようです。

チルトモニター

撮影はファインダー撮影はあきらめてチルトモニターを覗いて撮影しました。

実用上は十分ですが、可能ならバリアングルモニターの方が楽だなあとは思いました。

シャッター連射

以前にEOS kiss Mで撮影した時と比較すると、さすがにEOS kiss Mは入門機ですのでシャッターとシャッターの間が詰まってくると微妙なラグがあります。
しかし、α7R IIIはプロも使うような上級機ですので、スムーズに何枚も写真が撮れたので、なかなか気持ちが良い感じです。

実際に撮影した写真

実際に撮影した写真をお見せします。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫の食事 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

猫 僕と猫。

まとめ

動物瞳AFは撮影パフォーマンスを上げてくれる

上記に述べた通り、動物瞳AFは人間みたいにぱぱっと認識してくれるわけではありませんが、絞りを開放してもピントの位置を気にする必要はなく、瞳AFのAFフレームが表示されたところでパシャパシャ撮っていればいいので、撮影作業自体はとても楽です。

今となっては人間を撮る際にも瞳AF無しというのは考えにくい感じなのですが、それを思い出させてくれます。

EOS kiss Mとの比較

キヤノンの入門機EOS kiss Mで撮影した際は、単焦点レンズEF32mm F1.4 IS STMを使用したため、距離の調整ができないので、カメラの位置で微調整をする必要がありました。
しかし、やはり大口径F2.8のズームレンズで撮影すると、ズームで焦点距離が変えられるので、構図を調整するのが楽です。

EOS kiss Mでも無理はしないでズームレンズで撮影した方がいいのかもしれませんが、EF-Mレンズは明るいズームレンズが無いので、明るさとかボケとかの要素を考えると悩むところです。

そんなこんなで、EOS kiss Mで撮影する際は1時間位ずっと粘って撮影していたのですが、猫の撮影に慣れてきたせいもあるのでしょうが、α7R IIIでは10分ほどぱぱっと撮影してもう終わりでした。
実際に撮影した写真自体はそれほどすごい違いはないのですが、歩留まりなどの効率を考えるとα7R IIIの方がやはり圧倒的に楽です。

撮影機材

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