初めてカメラを買う初心者は本当に安い入門・エントリーモデルを買うの?

2018年4月5日カメラ,カメラの選び方

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初めてカメラを買う初心者は本当に安い入門・エントリーモデルを買うの?

こういう記事を見ました。

まあ、どこの記事でも、各社のエントリー機をずらっと並べてるだけで、それで初心者の人は満足できるん?ということです。

まあ、そりゃそうだ。(ケチを付けるつもりは全然ありません)

エントリー機の位置付け

エントリー機を始めとするプロユースまでのクラスは以下の記事に説明しています。

冒頭の記事の方の思っているエントリー機はシャッターを押せばまあまあ満足が行くカメラなのではないでしょうか。

各社のエントリー機は、シャッターを押しただけで撮れるオート機能が付いています。
これは中級機以上にはついていませんが、んじゃ、エントリー機のオートモードで思ったような写真が撮れるかというとそれは無理なわけです。

実際のカメラのコスト構造

オートで撮るためには、

  • ぱっとシャッターを押した時に、ピントを合わせる機能オートフォーカス(AF)
  • 明るさを合わせる機能オート露出(AE)
  • 色を合わせるオートホワイトバランス(AWB)

という3種のセンサー機能がちゃんとしている必要があります。

一方、カメラのコストの大部分は、これに加えて実際に光として入ってきた画像をデジタルデータに変換する画像センサー合わせて4点が大きな部分を占めています。

エントリー機にはコストはかけられない

エントリー機は初めて買う人用のカメラなのでメーカーは低価格にものすごくこだわっています。
実際、大抵皆さんともスマホは持っていますので、それよりはきれいな写真が撮れることを期待しているでしょうが、かといってスマホがあるのにさらにどれだけ投資する気になるかというと相当疑問です。
頑張ってもせいぜい5万円位でしょうし、10万円というのは相当厳しいでしょう。

安物はコストがかけられないので写りもそれなり

販売価格が抑えられるということは、画像センサーと3種のセンサー機能にかけられるコストも限られます。
ということは、エントリー機は原理上その上の機種よりきれいに写るわけはないのです。

それじゃエントリー機って何?

先程の記事の方はボタンを押すといい按配に調整してくれる機能があるカメラがいいなーという願望があるようです。
それはある意味写真を撮る側からすると当然なのですが、実際は、その按配を調整する機能こそカメラの性能の核心で、最もかけたコストからの成果がダイレクトに反映される部分なわけです。
そもそもエントリー機に限らずカメラは全てこの4点をどう理想的に実現するかということが究極の目標です。

エントリー機の設計思想は断捨離・最低限

エントリー機の設計思想はずばり断捨離です。
大して性能では無い機能、大して使わない機能はどんどこ削りまくって、どんどこ値段を落とします
エントリー機のおまかせ撮影モードが実際にやっていることは、コストを削りに削りまくって、まあまあの写真が撮れるだけの機能を残して、残ったメーカーのおすすめ設定を全部セットにしてボタン1つで写真を撮れる機能が入っている幕の内弁当のようなものです。

エントリー機は買ってもいい?

それでは、エントリー機は買った方がいいのでしょうか。

  1. どこまで費用をかける気があるか
  2. お蔵入りさせずに使い続けられるか
  3. 特殊な撮影ができないことに我慢ができるか
  4. 価格の分の写真の不備を手間をかけることでカバーできるか

など、冷静に費用対効果を判断できるかどうかです。

どこまで費用をかける気があるか

5万円のエントリー機を買ってすぐに、もっと上の機種を買うのであれば、最初から上の機種でもいいかと思います。
5万円のカメラを買って、すぐに10万円のカメラを買うのは不経済でしょう。
ただ、5万円レベルから10万円レベルのカメラにしても、そのレベルでは不満がすっきり解消されるかは微妙です。
単に沼が深くなるだけかもしれません。

お蔵入りさせずに続けられるか

エントリー機でさえカメラは意外とかさばる重いもので、持って外出するのにはそれなりに覚悟が必要です。
高い機種は重くて大きいですが、画質と引き替えにする覚悟はあるでしょうか。
割り切って軽いエントリー機の方がいいですよね。

特殊な撮影ができないことに我慢できるか

エントリー機は極端に暗いところでの撮影と高速で動くものの撮影は特に苦手です。
そういうものが撮りたいのであれば、最初からある程度上の機種を選ぶ必要があります。

価格差分の写真の不備に手間をかけることでカバーできるか

上記の特殊な撮影以外は、ある程度カバーが可能です。

  • ピントの位置は最近は背面モニターがタッチパネルなので、ピントを合わせたい位置を押すとそこに合います。
  • 色のずれカメラのホワイトバランス機能で、晴天、曇天、蛍光灯、白熱灯など選んでみて調整できます。
  • 明るさ露出補正機能で明るめや暗めなど写す前に設定しておきます。

なお、色のずれや明るさは、現像で相当な範囲での調整が可能です。

個人的おすすめ

おすすめは、なんでもいいので安い機種(=エントリー機)買って使って実際に写真を撮ってみるのが一番です。
必要に迫られてカメラの設定を覚えて、さらに現像まですれば、大体思ったような写真に調整ができるようになります。
そもそも、高級機種も賢くはなっていますが、それでも思ったように写るとは限らないので、このような調整することは、どちらにしろ必要になり、必要に迫られて覚えた知識は心身ともに身に付きますので、財産になります。

中古カメラ店活用も

もっと上のが欲しくなったら無駄になったらどうするんだという心配はあるでしょうが、カメラは中古市場が整備されていますので、中古販売店で買い取ってくれます
エントリー機はセットをざっくり半値位で引き取ってくれますので、中級機とエントリー機の両方を持っている必要は無いので、不要になったエントリー機は売ってしまいましょう。

続編

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