カメラの絞りの原理とレンズの絞り特性

2018年4月6日カメラの撮影方法,写真

スポンサーリンク

カメラの絞りの原理とレンズの絞り特性

モデル撮影の時に気をつけるべき7つのことで示したF値のなるべく小さいレンズを使うについてですが、やたらとF値を小さくすればきれいな写真が撮れるわけではないことについて説明します。

絞りの原理

カメラは絞りで画像センサーに写る画像の明るさを調整する仕組みがあります。
絞りのアイコン
絞りを開けた状態が開放状態で、絞りを絞ると口が狭くなって通れる光の量が少なくなります。

絞りとボケの関係

絞りを開けたF値が小さい状態だと、ピントの合う距離の範囲が狭くなり、F値が大きいとピントの合う距離の範囲が広くなります。
F16の写真
絞った写真

F2.8の写真
絞りを開放した写真

F値が大きい写真はほぼ全面にピントが合った状態(パンフォーカス)になりますし、F値が大きくなるとピントの合った部分以外はボケます。
ポートレート写真は被写体だけに注意が向くようにボケの大きい写真が好まれます
コスプレ写真などは背景の状況なども認識できるようにある程度絞った写真にする必要があることも多いようです。

絞りと画像の良さの問題

開放で撮ればいいのか

カメラのレンズの材質と構造上の問題から、レンズは開放から絞った方が解像度が良くなります
これは、レンズの端の方は大きく屈折させる必要がある一方、構造が薄くなるため、精度が悪くなるからです。
ですので、写真は原理上、端の方の解像度は落ちます。
そして、少し絞ると中心近くの解像度のいい部分だけ使って画像が写せますので、写真全体の解像度が良くなります
レンズの設計は大抵の場合、2段位絞ったところが一番きれいになるということです。

絞ればいいのか

ならば、絞ればいいのかというと、絞ってしまってはボケません
さらに、どんどん絞って極限に近いあたりF16とかになるとまた解像度が落ちます。これは小絞りボケという現象です。
光は物に近いところを通過する時に散乱して光が拡散する現象を起こしますので、絞っていくとどんどん拡散する割合が大きくなるせいです。
カメラの絞りを開閉した時の様子

例外はあります

  • レンズを通る光の曲がり方がずれると解像度が落ちますので、ずれないようにレンズの形を調整する、非球面レンズの採用があります。
    レンズは球面に作る方が簡単なのですが、現在は工作機械の精度が上がったため、非球面レンズが使いやすくなっています。
  • レンズの材質を屈折率の高いものにすることです。
  • レンズの口径を開けて、大きいレンズを使えば、端の方は使わないでも光を取り込めるようになります。

いずれもコストが高くなりますので、解像度が高いレンズは自然に価格が高くなります。

結論

なるべく解像度の高い高価なレンズを使って、最低限絞って撮影するのがベスト。
これを追求していくと、単焦点レンズはズームレンズより構造が簡単なのでF値が小さいレンズができますので、各焦点距離の単焦点レンズを集め始めるレンズ沼にズブズブとはまっていくことがありますので、注意して下さい。
また、ズームの広角側と望遠側の幅が狭い方が解像度が高くなる傾向がありますので、ポートレートなどにしか使わないのであれば、便利だからといって無闇に高倍率のレンズを使わない方がいいです。

関連記事

スポンサーリンク